宮崎県都城市では移住者が急増しています。2023年度には移住者数が3,710人に達し、前年度比は約8.5倍です。都城市の移住者が増加した理由は、大胆な政策を数多く打ち出しているからです。この記事では宮崎県都城市に移住者が殺到する理由に迫ってみましょう。
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都城市の人口は13年ぶりに増加
都城市は宮崎県の南西部に位置しており、霧島山系と鰐塚山系に囲まれた都城盆地に広がる町です。豊かな自然と清らかな地下水に恵まれており、古くから焼酎やお茶の名産地として知られています。
さらに都城市は牛・豚・ニワトリの合計産出額が日本一の「畜産のまち」でもあります。ふるさと納税の寄付総額は日本一です。魅力あふれる都城市は近年移住者が増えており、2024年度には13年ぶりに人口増加に転じています。
宮崎県内で人口が増えたのは都城市だけ
都城市では2024年4月1日時点の推定人口が15万9,474人です。2023年同月比で1920人の増増加で、2011年度以来13年ぶりに「人口増」になりました。宮崎県内には26の市町村がありますが、昨年同期とくらべて人口が増えたのは都城市だけです。
都城市では2023年度当初の予算計画において「10年後の人口増加」を目指して、大胆な人口減少対策の政策を打ち出していました。この目標をわずか1年で達成したことになります。
若い子育て世代の移住者が急増
13年ぶりに人口増加に転じたのは、移住者の数が増えたことが影響しています。2023年度、市の窓口を通じて移住した人の数は3,710人で1663世帯でした。2022度の約8.5倍にもなります。
移住者の多くは子育て世代であり、世帯主が30歳代以下の世帯が62.5%、40歳代以下が83.1%と比較的若い子育て世代が移住しています。
また移住者3,710人のうち18歳未満の子どもは1,336名と全体の36%を占めています。
全国での18歳未満の子どもの人口比率は「14%」となっているので、移住した子ども比率が「36%」というのは、どれだけ高い値であるかがよくわかるでしょう。移住者は全国平均の2.5倍の子どもの比率になっています。
さらに子どもの中でも0~5歳の小さな子どもが多いです。0~5歳の未就学児は53.4%にあたる713人で、その約6割は0~2歳児で子ども全体の31.1%にあたります。小さい子どもを持つ若い世代が都城市を選んで移住してきていることがわかります。
都城市に移住者が急増している理由を解説
移住者が増えている理由に「移住支援」があります。都城市の移住支援の政策は「日本トップレベルの大胆な支援」と公言しています。ここでは移住者が急増している理由についてまとめてみましょう。
UIJターン者への支援体制の整備
平成25年度から移住・定住の取り組みを開始しており、UIJターン者への支援体制を整備しています。
令和2年度には移住・定住サポートセンターを開設し、移住者に対してきめ細やかな移住相談を行ったり、無料職業紹介などを行ったりと手厚いサポートを行ってきました。
このほかに、移住前に住まいや仕事探しで訪れる時に必要な宿泊費やレンタカー代を補助する「お試し滞在制度」や、奨学金返還支援補助金などの支援策も行っています。
奨学金返還支援補助金は、高等学校卒業時に本人または法定代理人が都城市に居住していた場合、奨学金を借りて大学等に進学し、都城市に本店のある事業所などに就職した場合に奨学金返還を補助する制度です。
さまざまな移住支援の取り組みによって相談件数が増え、取り組み開始初年度は1人だった移住者は年々増えています。
移住応援給付金の支給
移住者に対して「移住応援給付金」を支給しています。移住応援給付金は、たとえば夫婦+子ども2人の世帯であれば最大500万円を受けることが可能です。
移住応援給付金の要件として事前に都城市移住・定住サポートセンターへ登録する必要があります。またその他の条件として、転入後3ヶ月以上~1年以内の人であること、都城市に5年以上居住する意思がある人などがあります。
いくつかの条件はあるものの、子ども加算の制限はありません。三股町・曽於市・志布志市を除く全国どこから移住しても、移住応援給付金を支給してもらえるという魅力から多くの移住者が増えました。
日本トップレベルの移住者支援の施策は全国的にも話題になり、移住者の数は令和5年10月末時点で1,041人に達し、世帯数は511となっています。現在も相談者は増え続けており、新規相談件数は2,463件にも及びます。
移住者支援に対する積極的なPR活動
都城市では移住者支援に力を入れていることを全国にアピールするために積極的なPR活動を行ってきました。
全国的に人気のキャラクター「ふなっしー」を特別住民として都城市に迎え、ふなっしーが特別に出演する特設サイトを公開しました。ふなっしーのWEB動画は大反響を呼びました。さらに関東のテレビ局からの取材や、新聞の広告なども幅広く展開しています。
PR活動に力を入れたことで全国各地から都城市に興味を持ち、移住する人が増えたのです。
子育て世代に対する手厚い支援で移住者増加
都城市では移住者支援に力を入れており、全国から移住者が急増しています。その中でもとりわけ小さい子どものいる子育て世代の移住者が多いです。実は都城市では子育て世代に対する手厚いサポート支援を打ち出しています。
都城市の子育て支援は「3つの完全無料化」です。1つ目は第1子からの保育料の完全無料化、2つ目は中学生までの医療費の完全無料化、3つ目は妊産婦の検診費用の完全無料化を実施しています。3つの完全無料化を掲げて、より子育てしやすい環境を整えています。
都城市では安心して子育てできる「子育て三ツ星タウン」を実現しており、3つの完全無料化施策によって、妊娠期から子育て期まで切れ目なく経済的な支援が可能です。子どもを産んで、育てたいと考える人たちを強力にサポートしています。
子育て三ツ星タウンを実現しているからこそ、都城市には小さい子どものいる子育て世代の移住者が急増しているのです。
市民の健康増進に注力
都城市では人口の自然減対策として、市民の健康増進を行っています。保健師が公民館などに出向いて「こけないからだづくり講座」を開いて継続支援したり、AIを活用した特定健診や大腸がん検診の受診率向上対策を拡充したりとさまざまな対策を行っています。
ほかにも循環器・脳血管疾患などの重傷換価の地域完結型医療体制を目指して、都城市郡医師会病院に高度な治療が行える心臓・脳血管センターを新設しました。医療面においても支援が行き届いています。
移住相談と空き家相談の窓口を一本化
移住者が増え続けると心配になるのが、移住者の住まいに対する問題です。都城市では年々移住者が増加する中で、住まいに関する相談が多様化しており、空き家に住みたいというニーズが高まっています。
そこで別々の部署で行っていた移住相談と空き家相談の窓口を令和5年度から一本化することで、よりきめ細やかな対応ができるようになりました。
また空き家の所有者に対しては、個別の相談会を実施しています。空き家の活用方法などに不安を抱えている所有者に対して、手厚い支援が可能です。
地方に移住する際に魅力的に感じる制度は何ですか? WEBアンケートで調査!

いまとは別の地域に暮らす際、自分にとって何らかのメリットがなければ、わざわざ移住することもないでしょう。特に自治体の制度の内容は、気になるポイントですよね。
そのため当サイトでは、地方移住で魅力的な制度について、WEBアンケート調査を行ってみました。地方暮らしをしてみたい方は、ぜひ参考になさってください。
ダントツで投票数が多かったのは、「移住応援給付金の支給」で、64%の方が回答していました。経済的な支援が移住を決断する際の重要な要素であることがわかります。
移住には初期費用や生活の立ち上げに多くのコストがかかるため、金銭的な支援を求める声が強いことが示されています。特に移住先での新しい生活をスタートさせるためには、安定した経済的基盤が不可欠といえるでしょう。
次点で、「子育て世代への手厚い支援」が15%となりました。子育て環境の整備が地方移住においても重要視されていることがわかります。移住を考える若い家族にとって、住みやすい環境や育児支援の充実は大きな魅力でしょう。
金銭的な支援に比べるとニーズはやや低いようですが、移住に関する最初のハードルとして経済的支援がより強調されることが、大きな理由として考えられます。
「市民の健康増進への支援」は、13%の方が回答されていました。健康に対する意識が高い方も、一定数いるようですね。しかし健康や生活環境の向上も、移住において重要な要素ではありますが、経済的な支援ほど決定打とはなっていないようです。
とはいえ、こうした制度は歳を重ねるにつれ、ありがたみを実感するものなので、どちらかというと住み始めてからのアプローチになるでしょう。
そして「移住者支援に対するPR活動」は、9%という結果になりました。これは移住の際、PR活動よりも実際的な支援が重視されていると考えられるでしょう。情報提供や地域の魅力を伝える活動が移住を促すために必要だとは感じつつも、実際には給付金などの直接的な支援が移住者の関心を引く大きな要素であることがうかがえました。
都城市のPR活動も周知されるきっかけにはなったかと思われますが、移住者が増えたことに関しては、その実際的な支援もあってこそといえるでしょう。
これらの結果から、地方移住においては金銭的支援や生活の安定が最も重要視され、次いで関心を集めているのは、子育て支援や健康支援といったものになりました。1位が移住者にとって特に魅力的に感じるのは当然ですが、実際に住んでみれば意外にお世話になる制度もあるかと思うので、総合的に踏まえて決断することをおすすめします。
都城市の移住支援制度とは?市が公表している支援内容を解説
都城市が実施する「移住応援給付金」
都城市では、市外からの移住を後押しするための給付金制度を設けています。以下では、新しい暮らしを始める人に向けた支援内容を紹介します。
移住者を後押しする給付金制度の概要
移住応援給付金は、都城市への移住や定住を進めるとともに、地域の人手不足を解消する目的で設けられた制度です。
対象となるのは、事前に都城市の移住相談へ登録を行い、そのうえで市外から転入した人です。ただ引っ越すだけではなく、所定の手続きを済ませる必要があります。
なお、転勤による異動や新卒採用者、国家公務員は対象外となっています。制度を利用するには細かな条件があるため、事前の確認が欠かせません。
申請前に押さえておきたい注意点
令和6年度分の申請では、「転出届を出す前」に移住相談登録を行うことが求められています。手続きの順番を誤ると対象外になる可能性があるため、計画的な準備が大切です。
また、給付金の金額は単身か世帯か、就業状況はどうかといった条件によって異なります。自身の状況に当てはまる支給額を事前に確認しておくと安心です。
都城市で暮らしを体験できる「お試し滞在制度」
移住を考えるとき、実際の暮らしを自分の目で確かめたいと感じる方もいるはずです。都城市では、そんな不安をやわらげるために「お試し滞在制度」を用意しています。
現地での暮らし体験を費用面からサポート
この制度は、移住を本格的に決める前に都城市へ滞在し、住まいや仕事探しを行う人を支援する取り組みです。
対象となるのは、滞在中の宿泊費やレンタカーの借上料などです。現地をじっくり見て回るための費用を一部補助してもらえます。
知らない土地での生活は、短時間の見学だけでは分からない点も多いものです。数日間滞在してみることで、買い物環境や交通の様子、街の雰囲気まで体感できます。
移住後のミスマッチを防ぐための仕組み
お試し滞在制度の目的は、移住後の「思っていた生活と違った」という後悔を防ぐことにあります。実際に足を運び、自分の目で確かめ、肌で感じる時間を持つことで、より納得した決断ができます。
仕事探しや住まい探しを事前に進められる点も大きな魅力です。地域の人と交流する機会が生まれれば、不安の解消にもつながります。
Uターン就職を後押しする「奨学金返還支援補助金」
地元に戻って働きたいと考えていても、奨学金の返済が負担になっている方もいるかもしれません。都城市では、そうした若い世代を支えるために「奨学金返還支援補助金」を設けています。
地元で働く若者を応援する仕組み
この制度は、都城市出身者のUターンを後押しするためのものです。対象となるのは、高校卒業時に本人または保護者が都城市に住んでいた方で、大学などへの進学時に奨学金を利用した人です。
卒業後、市内に本店のある事業所へ就職することが条件となります。地元企業で働きながら奨学金返済の負担を軽くできる点は、大きな安心材料です。
利用前に確認しておきたいポイント
申請にあたっては、いくつかの条件を満たす必要があります。特に注意したいのが、ほかの移住支援制度との併用です。
「移住応援給付金」とは同時に受け取ることができません。制度を上手に活用するためには、自分がどの支援に当てはまるのかを事前に整理しておくことが大切です。
車のある暮らしに安心を「移住者運転技術向上応援事業費補助金」
都城市での生活は、日常の移動に車が欠かせません。久しぶりにハンドルを握る人や、運転に自信がない人に向けて、市では運転技術の向上を支える補助制度を設けています。
ペーパードライバー講習を費用面からサポート
この制度は、都市部などから都城市へ移住した人やUIJターン者のうち、運転に不慣れな方を対象としています。
主な支援内容は、ペーパードライバー講習にかかる費用の一部補助です。教習所などで実技指導を受ける費用を負担してもらえるため、安心して練習に取り組めます。
土地勘のない場所での運転は、不安を感じやすいものです。交通量や道路幅の違いに戸惑うこともあるでしょう。こうした不安を減らし、安全に暮らしを始めてもらうことがこの制度の目的です。
新生活をスムーズにスタートするために
買い物や通勤、子どもの送迎など、都城市では車移動が生活の基本になります。早い段階で運転に慣れておくと、行動範囲が広がり、日々の暮らしも快適になるでしょう。
移住直後は手続きや準備で忙しくなりがちですが、講習を受けておくことで安心感が生まれます。
移住準備をお得に進める「宮崎ひなた移住倶楽部」
宮崎県への移住を考え始めたとき、まず情報を集めたいと感じる方は多いでしょう。そんな県外在住者を対象にしたのが「宮崎ひなた移住倶楽部」です。登録は無料で、移住検討中の人なら誰でも利用できます。
移住を考える人が無料で登録できる仕組み
宮崎ひなた移住倶楽部は、宮崎県内への移住を検討している県外在住者向けの会員制度です。入会に費用はかかりません。
登録すると、移住に役立つ情報がメールマガジンで届きます。仕事や住まい、各市町村の支援制度など、幅広い内容を受け取れる点が魅力です。
有効期間は発行日から3年間です。じっくり検討したい人にとっても安心できる期間といえるでしょう。
引越しや移動に使えるうれしい特典
会員になると、引越し代金やレンタカー料金の割引といった特典も用意されています。移住には何かと出費が伴いますが、こうしたサービスを活用すれば費用の負担を抑えられます。
現地見学や住まい探しで車を使う場合にも役立ちます。情報収集と費用面の両方を支えてくれる制度として、移住準備の第一歩に利用しやすい仕組みです。
まとめ
都城市では移住者支援に力を入れており、全国から移住者が年々増加しています。手厚い移住応援給付金の制度によって、13年ぶりの人口増を実現しました。都城市では全国各地の移住相談会にも積極的に出向き、町の魅力をアピールしています。住まいや就職に関する相談にも対応してくれ、移住者が住みやすい街づくりを徹底しています。さらに都城市では子育て支援を徹底しており、第1子からの保育料、中学生までの医療費、産婦の検診費用の「3つの完全無料化」が魅力です。自然も多く、子どもを育てやすい環境が整っています。都城市が気になる方はぜひ移住・定住サポートセンターに相談してみましょう。